中学受験の気になる倍率、正しい見方を解説!

目次

    前提として

    2つの倍率について

    最新情報をチェックしよう

    まとめ

前提として

中学受験において受験校を選択する際に気になることの1つが倍率ですよね。今回はその倍率についてご説明しますが、前提として「倍率はあくまで参考程度で、数字に左右されずお子さんに適した学校を選ぶ」ということを忘れないでください。倍率を見極めて学校を決めることも必要ですが、学校の教育理念や特徴がお子さんに合っているか、お子さんが本当に行きたいところなのかということが何よりも大切です。

では倍率についてです。倍率とは、例えば3倍だったら3人に1人が合格できるということです。しかし、中学受験の倍率はそう単純ではありません。「倍率が高いから合格は難しい、低いから合格できる」とは限らないのです。倍率の正しい見方を知って志望校選択への参考にしましょう。

2つの倍率について

中学受験の倍率には「出願倍率」と「実質倍率」があります。

【出願倍率】

「出願者数÷募集定員」

学校の募集定員に対して出願者がどのくらいいるのかを示した倍率のことです。応募倍率や志願倍率といわれることもあります。

【実質倍率】

「受験者数÷合格者数」

受験した人のうちどのくらいの人が合格したのかを示した倍率のことです。願書は出したけれど他の学校に入学を決めたため受験をしないという人や諸事情で試験を受けられなかった人などはここでの受験者の中には含まれません。

中学受験では複数の学校に併願するのが一般的です。何校か合格した場合はどこかの学校の合格を辞退します。学校側は辞退する人もいるということをふまえて、募集定員よりも多い人数を合格にしておきます。そのため、実質倍率は下がり、出願倍率よりも実質倍率の方が低くなります。人気校であれば合格して辞退するということは少ないので、学校はそのような処置をしなくて良いことになり、実質倍率は上がります。つまり、出願倍率と実質倍率の差が小さい方がその学校を第一志望にする人が多いということになります。

ちなみに、試験日がはやい学校は「出願倍率は高いが実質倍率は低かった」ということがあります。これは受験の雰囲気に慣れるために併願校として受ける人がいるためです。また、御三家(男子:開成・麻布・武蔵、女子:桜蔭・女子学院・雙葉)や難関大学へ多く合格者を出している人気校は記念受験をする人もいるので倍率が高くなることがあります。

最新情報をチェックしよう

倍率に影響を及ぼす情報もあるので学校の最新情報は常にチェックしておきましょう。倍率が上がる可能性のある人気校の特徴は次のようなものがあります。

・新しいコースが設置される学校(新しい取り組みをする学校は人気があります。)

・大学附属校で内部進学の推薦枠が増えた場合

・周辺のインフラが整備された学校

学校の状況の変化によって人気が左右することもありますが、学校周辺の環境も人気に影響することがあります。中学受験をする際には様々な方面から情報を収集しましょう。

その他に「サンデーショック」と呼ばれる現象があります。中学受験では試験日を2月1日に設定している学校が多くあります(特に有名校や難関校)。しかし、2月1日が日曜日の場合、キリスト教系の学校は宗教上の理由で日曜日を休みにして、試験を翌日などに延期することがあります。それによって例年2月1日に試験日が被っていて受験できなかった学校を、併願校として受けられるようになるのです。すると、倍率が上がる学校も出てきます。中でも私立の女子校はキリスト教系の学校が多いので注意しましょう。

ちなみに前回のサンデーショックは2015年で、次回は2026年です。2月2日や3日が日曜日で他の日に試験日を移動するプチサンデーショックもあります。第一志望校や併願校の試験日は必ず確認しましょう。

まとめ

中学受験には2種類の倍率があり、それぞれ意味が異なります。そのことを念頭に置いて第一志望校や併願校を選択しましょう。学校の情報も日々更新されていくのでこまめに確認する必要があります。そして何より数字に一喜一憂することなく、お子さんの意志やご家庭の教育方針、学校の教育理念などを大切にして受験の準備をしましょう。お子さんに最適な学校選びやその年の動向については学校や塾の先生に尋ねても良いでしょう。

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