まず、先生の御経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか?

まず、先生の御経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか?

最初に教壇に立ったのは大学3年生の頃ですね。高校3年生を対象にしている小規模な塾で教え始めました。大学卒業後に中堅予備校で指導を開始し、2008年から某大手予備校で講師業を始めました。今では現代文の指導は17、8年のキャリアになりました。
現在はセンター試験対策や私立大学対策から難関国公立大学対策まで幅広く指導させていただいております。

では、先生が現代文を教えられる際に、ポリシーとされていることはございますか?

私がいなくても、生徒が1人で読んで1人で解けるようになることを目指して授業をしています。「そんなの無理でしょ」と思われるような方法ではなく、誰でもちゃんと一緒に勉強していけばマスターしていける、普遍性のある方法を提示していけるような指導を心がけています。最初は文章の内容を噛み砕いて教えることにこだわっていました。でも長年指導に携わっていく中、「本当に生徒1人でできるのか」と考えるようになったんです。そして、今までの教え方が体系だった教え方ではないと気づいてからは、「1人で解ける、誰でもマスターできる」ような授業を心がけています。

どんな子でも言われたことをきちんと守って勉強すれば伸びていける授業にこだわっているわけですね。それでは次に、印象に残った生徒さんについてお伺いしてもよろしいでしょうか。

間違いなく初年度にみた生徒ですね。駆け出しの頃でしたから、今からみれば自分でも「先生、大丈夫?」っていうレベルだったのですが、それでもきちんと指導したことを守って、最後までついてきてくれて、合格を勝ち取ってくれた生徒たち。何年経っても色褪せることなく鮮明に思い出すことができます。

どんな子でも言われたことをきちんと守って勉強すれば伸びていける授業にこだわっているわけですね。

ちなみに私は答案の添削を頼まれたとき、結構ずばっとダメな答案はダメと言う方なんです。こんな答案じゃ0点だよとはっきり言います。甘い採点基準で添削をして本 番で点数が取れなかったら意味がないですから。それでも根気強くしつこいくらいに添削を持ってくる生徒はいるんです。最初は箸にも棒にもかからない答案を書いていた子が、言われたことを聞いて徐々に書けるようになっていって、結果難関大学に合格していく。そういう子たちはやはり印象に残りますね。

質問に来る生徒は、どのようなことを聞いてくることが多いのでしょうか。

具体的に「この問題のここが分からない」という質問をしてくる生徒もいるんですが、「成績が伸びない」「なぜ停滞しているか分からない」という漠然とした質問をする生徒も意外と多いんです。正直に言うと、そうした質問に対して適切なアドバイスをするのは難しい。というのは、全員が同じ理由で停滞しているわけじゃないからです。停滞している理由は個々に違う。だから、その子にとって何が不足しているのかを見極めないと適切なアドバイスはできないんです。

個別で質問に来る生徒は、どのようなことを聞いてくることが多いのでしょうか。

そのために私はとにかく間違えた問題や自分で書いた記述の解答を見せるようにと言います。それらを複数見ることで、その子の読み方の癖や間違え方のパターンが見えてくる んです。そうすれば、「君はここが分かっていないみたいだから、こうすればいいよ」とアドバイスをすることができるわけです。ただ、そうやって個別に対応できる生徒は時間の制約上限られてしまう。だから、集団を対象とする授業の中で「この問題をこの選択肢を選んだ人はこういうところがわかっていないよ」「この記述でこのポイントが入っていない人はこういう弱点があるよ」と言うようにして、少しでも個々の弱点を発見し、補えるように心がけています。

2020年大学入試改革が迫っています。これからの受験生が求められることはどんなことでしょうか?

主体性の一言に尽きますね。自分で考える、考え抜くことが大切です。ただし入試改革といっても、求められる本質は変わらないと思います。今は論理的に考えて問いていくことが求められますが、それはこれからも変わることはないでしょう。
結局は基礎的な学力がきちんとある子は、どのような改革が起きても対応する力があります。例えば、記述の問題一つとっても、マーク式の問題を解くことと本質的には変わりません。「私の志望校はマーク式の問題が出ないから、マーク式の問題は解かない」のではなくて、「マーク式の問題を記述で解答してみよう」と考えられる生徒は総合的に学力が向上していきますし、どのような出題パターンにも対応できますよね。主体性をもって「自分に何が足りないのか、何が必要なのか」を考えて勉強している生徒にとっては、大学入試改革は恐れるようなものではないと思いますよ。

では最後に、受験勉強に励んでいる高校生たちへのメッセージをお願いします。

受験勉強は確かにしんどいと思います。ただ辛かった分だけ合格したときの喜びはとても大きい。
私が初めて自主的に勉強に取り組んだと言ってよい受験は、大学受験です。一貫校でしたので高校受験はありませんでしたし、中学受験は親に言われて勉強していたに過ぎません。行きたい大学を自分で決めて、自分に何が足りないのかを必死に考えて勉強する。初めての経験でとても辛かった。でも、その苦労を乗り越えて合格を勝ち取ったときに見えた景色は今でも忘れられません。

では最後に、受験勉強に励んでいる高校生たちへのメッセージをお願いします。

高い壁に登るのはしんどいですし、時に逃げ出したくなります。しかし、その壁を登った先には下からでは見えない景色が広がっています。受験生の皆さん、その絶景を見るためにも最後まで諦めずに頑張りましょう。

大学入試改革2020/ INTERVIEW

野島博之 先生

学研プライムゼミ特任講師
現代文

池上 和裕 先生

熱い授業と親しみやすい人柄で、人気は絶大。特に季節講習の「センター現代文」は、増設講座も締め切られるほど。
その文章だけに通用する行き当たりばったりの読解ではなく、どんな文章にでも通用する普遍的な方法論を解説するなど、現代文の授業を受ける意味を実感させてくれる実力派講師