公立中高一貫校とは?受験対策も併せてご紹介

公立中高一貫校と私立中高一貫校との違いとは?

〔公立中高一貫校の特徴]
 公立の中高一貫校は、数が少ないにもかかわらず志願者数が多く人気があるため、総じて高い志願倍率になっている学校が多いです。そのため、合格するのがかなり難しくなっています。これらの学校では、一般的に通常の公立の学校よりも授業の進度が速く、高いレベルの授業が行われています。中学3年生で高校1年の内容を履修したりしています。それで、5年間で高校3年までの内容を終了し、最後の1年間は大学受験に向けた学習を行っている学校が多いです。そのため、難関大学への合格率が高くなっています。

 学費については、普通の公立の中学と同じように最初の3年間は無料です。残りの3年間も公立高校と同じように親の年収が約910万円未満の場合、月額9,900円が支給されるので、実質無料となります。

〔私立中高一貫校の特徴] 
 私立の中高一貫校には、単独で設置されている場合と私立大学の付属の中高一貫校の場合とがあります。単独で設置されている中高一貫校は非常にレベルの高い学校が多く、難関大学への高い合格率を誇っています。また、大学の付属の中高一貫校の場合にもレベルの高い学校が多数あります。それぞれ個性があり独自の教育が行われています。

 学費については、親の年収が約590万円未満の場合、年額39万9000円の補助が受けられます。年収約591万円以上910万円以下の場合には、公立の場合と同じように年額11万8800円の補助が受けられます。私立の一貫校の学費はおおよそ公立の一貫校の2倍程です。

公立中高一貫校の受験内容をご紹介

公立中高一貫校では、適性検査、作文、面接、小学校からの報告書によって総合的に合否が決定されます。この中で最も大切なのは、適性検査です。適性検査で合格できるだけの得点ができなければ合格はおぼつかないでしょう。

 適性検査の試験範囲は小学校で学ぶすべてですが、知識とともに思考力が非常に重視されます。いかに内容について考え、自分の意見を伝えられるかが大切です。最近の傾向としては、問題文の文章が長く、それを読み解く読解力が必要です。時事問題や社会問題にちなんだ問題もあり、日ごろからテレビや新聞のニュースをチェックしておくことも大切です。適性検査では、その場でいかに考えることができるか、それから、自分の意見をちゃんと表現できるかが問われます。問題は、小学校で学ぶすべての教科にまたがっていて、特定の科目に関する問題ではありません。
 作文については、エッセーや説明文、物語や表、グラフなどを見て、作者の意図と絡めて自分の意見を書いていくという問題が出ます。字数は400~600文字というのが一般的です。

受験に合格するには何が必要?

中高一貫校を受験する場合は、小学4年生から受験勉強を始めるのが普通です。勉強方法としては、①公立中高一貫校コースのある塾に通う、②実績のある家庭教師に教えてもらう、③通信講座を受講する、④問題集などで独学で勉強するなどが考えられます。地方に住んでいると、専門コースのある塾に通ったり専門知識のある家庭教師に教えてもらうのは難しいかもしれません。その場合は、通信講座を受講するのが良いでしょう。優れた講座がいくつもありますから十分に学習することは可能です。独学で学習することに関しては、非常に成績が良くて一人で勉強しても大丈夫な場合は問題集などを使って勉強することも可能でしょう。

〔適性検査の学習法]
 適性検査の問題は範囲がとても広くて、問題数が非常に多いです。そのため、すべての問題を完璧に解いていくのは無理があります。1つ1つの問題で8~9割取れればよいと考えましょう。適性検査の前半は算数の問題が多いですが、ここで時間を使いすぎると後半には時間不足になります。解くのが難しい、あるいは解くのにかなり時間がかかるという場合は後回しにして、比較的短い時間で解ける問題から解いていきましょう。そして、一通り解き終わってから、もう一度、初めから解いていない問題に取り組むようにします。その場合も解きやすい問題を優先させることが大切です。試験では100%解く必要はないのですから8~9割解くことを目指しましょう。志望する都道府県の公立中高一貫校の問題はすべて解く練習をしておきましょう。また、志望校の過去問題をすべて解いた後は、傾向を分析・検討し、それに類似した全国の都道府県の問題も解いて練習することが大切です。もちろん、小学校で習う範囲を十分に習得していくことも非常に大切です。通常の学習を十分に行いながら、過去の問題をできるだけ多く解いておきましょう。

〔作文の学習法)
 適性検査に次いで大切なのが作文です。よく出題される作文のテーマとしては、「言葉について」「あいさつについて」「感謝について」「意見を言うことについての注意点」「文化の違いを乗り越える方法」などです。実際に、繰り返して作文を書いて練習をしておくことが大切です。作文の形式としては、まず最初に結論を述べ、そのあと、自分の経験を含めて具体例を持ってきます。そして最後に、最初とは違う表現で結論を述べましょう。書くべき経験が特にない場合は、フィクションでもかまいません。自分で創作した話を使いましょう。自分の経験したことでないとだめというわけではありませんから、自由に創作しましょう。作文力を養うには、読書も非常に効果があります。読書は、作文だけではなくすべての科目に良い影響があります。知識や教養が増えますし、文章の読解力も増します。もちろん、漢字やいろいろな表現を学ぶこともできますし、幅広い視野を養うこともできます。日ごろから図書館の本を利用して読書をする習慣をつけておきましょう。

〔小学校からの報告書、面接]
 報告書には、活動の記録などとともに小学校での学習成績が表示されますから、日ごろから地道に学習して良い成績を残しておくことが大切です。また、面接に関しては、受験の前に、少し練習しておくと良いでしょう。

まとめ

 今回は、公立中高一貫校と私立の中高一貫校との違い、公立中高一貫校の受験内容と合格するための方策についてご紹介しました。中高一貫校は一般的な中学、高校と比較すると学習のレベルが高く大学への合格率も高い傾向があります。それで、入学試験もかなり難しくなっています。そのためお子さんの適性や成績などを十分に考慮して受験するかどうかを決めることが大切だと思われます。

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